高中正義高中正義『JOLLY JIVE』夏、暑い夏にトロピカルで爽やかな音楽を聴きたい。と思って真っ先に思い浮かんだのが高中正義の『JOLLY JIVE』というアルバムです。 1979年今からもう25年も前に発表されたアルバムになってしまいました。けれど、この当時かなり流行ったというかトレンディな音楽の代表だった気がします。 高中正義のギタープレイが中心の作品群です。何がトレンディかというと、当時流行っていたウインド・サーフィンなど、そんな海辺の環境の中で流れていればピッタリはまりそうな音楽だったから。 フュージョンというジャズをもっとポピュラーにして、誰にでも親しみやすく聴きやすくしたような音楽。クロスオーバーという呼ばれ方もしていたけれど、この高中正義の『JOLLY JIVE』は代表アルバムだったような気がします。 このアルバムを聴いていると、どこかの海岸線の情景が想い浮かんでくる。それはハワイでもグァムでもどこでもいい。 アナログ盤には曲ごとにポストカードが付いていました。それぞれの曲のイメージにあった海岸線の風景写真のポストカードが。 このアルバムには一つ思い出があります。会社の同期入社のSさんが、ある日唐突にせきを切ったように「高中正義のLP持ってないか、貸してくれ」というのです。「いいけど、どうしたの?そんなに慌てて」 その謎は1年後に解けました。Sさんが結婚したから。つまり彼女が高中正義の音楽が好きだったのでしょう。最新の話題についていけないと《まずいぞ》みたいな危惧みたいなものがあったのでしょうか。 それほど、このころの高中正義の音楽はロマンチックで爽やかでした。ロックでは似たような音楽をやっていたのは【サンタナ】あたりがいたけど、もっとアクや癖を抜いて日本人向けにアレンジしたような音楽です。 この人のギタープレイは絵画を描くように、ひくことが出来る。テクニックも一流なんでしょうが、これ見よがしではなくさり気ないところがとても良いのです。 『JOLLY JIVE』の次には絵本をテーマにして『虹伝説』というアルバムを出してしまいました。絵本を見ながら聞くのもいいですね。 また音楽は顔でやるものではないなぁと良く思ったりもしました。そんなに美男子ではないし、ごっつい顔の人だけど音楽は素晴らしいですね。 NHKホールで見たライブも素晴らしかったな。もう20年も前だけど……… この頃が大一期黄金期だったと思います。もちろん今聴いても古くさくないし、暑い夏の日にも爽やかに耳に入ってくる好アルバムです。 (2004-08-01 記) ジャンル別一覧
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